世界最大のビディビディ難民居住地で僕が感じたこと

世界最大のビディビディ難民居住地で僕が感じたこと

ちょうど一カ月前に、僕は世界最大の難民居住地と呼ばれている「ビディビディ難民居住地」を訪れました。

 

 

どんなところかというと、

南スーダンで2013年に内戦が勃発

多くの南スーダン人が国外に逃げる

隣国のウガンダ共和国の北部に南スーダン難民を受け入れる難民居住地を設置

数ある難民居住地の中で、「ビディビディ難民居住地」が数カ月で世界最大の難民居住地に

といった流れで出来た場所です。

 

ちなみに過去に、僕は代表を務めるNPO法人コンフロントワールドで、その付近の「パギリニア難民居住地」に訪れています。

なぜ行けたのか

 

前もって言っておきますが、難民居住地には簡単に入れません。
旅行感覚でふらっと行くことは出来ないんですよね。

 

限られた現地のNGOしか入れません。
過去に元NHKアナウンサーの有働由美子さんが訪れていますが、認定されたNGOを通して行っています。

 

今回僕は、「未来ドラフト」というコンテストでグランプリを受賞し、そのアイデアを現場で実施するというプロジェクトで、現場に行きました。

 

クラウドファンディングにご協力いただいた皆様本当にありがとうございました。
また、有休取りまくっても何も文句言わなかった職場のみなさま本当にありがとうございました。

皆様のおかげで、このような貴重な経験が出来ました。

何をやったか

 

渡航期間は1/4~1/14。そのうち4日間ビディビディ難民居住地で活動しました。

当初の予定では、車を購入し、「ビディビディキャラバン」として現地の難民にペイントしてもらい、様々な場所でのアクティビティを通して、ピースクラブと子どもを、ピースクラブとピースクラブをつなぐというプロジェクトを行う予定でした。

 

ですが、車が購入できない、現地で出来ることが限られるということから、
いろんな場所でアクティビティを行って、ピースクラブとピースクラブ、ピースクラブと子どもをつなぐというプロジェクトを行いました。

(ピースクラブとは、現地の平和活動を行う学生団体みたいなもの)

簡単にいうと、
居住地内の色んな場所でアクティビティを行って、現地の人々をつなごう!
というものです。

公民館でベイブレード大会や遊戯王大会やってみんなで仲良くなろう

みたいな感じです。(多分違う)

 

【移動】

 

まずは、ウガンダへ
日本から1日ぐらいかけて、ウガンダの首都カンパラに向かいました。
そこからまた半日ぐらいかけて、北部のアルアまで行って、そこから舗装されていないガタガタ道を2時間ぐらいかけてビディビディ難民居住地に到着します。

とにかく遠い!!

活動していた時は、アルアという都市のホテルに泊まり、日帰りでビディビディに行っていました。

【1日目】

 

ホテルからビディビディに向かう車の中で、わくわくする感情と不安が混じってました。

日本人が来てどんな反応するのだろう?僕たちの考えたプロジェクトは受け入れられるのだろうか?そもそもどんな環境で生活しているのだろう?安全なのかな?

 

現地に到着し、現地のピースクラブのメンバーと挨拶。
今回手伝ってくれる現地のメンバーです。

 

 

ピースクラブという各地のサークルに所属しており、ビディビディのそれぞれの場所で平和活動をしているメンバーです。

 

色んな拠点で平和活動をしている現地の人々が初めて交流し、
今後、私たちが帰ってからもつながり、ビディビディを良くしてほしいという想いでピースフラッグという、メッセージを入れた一つの旗を作りました。

 

1日目の主なアクティビティはこれで終了し、ホテルに帰りました。

【2日目、3日目】

2日目と3日目は映画上映です。

 

他の難民居住地にも、アフリカにも過去に行ったことがありますし、
危険なこともなく、現地の人たちも優しいのになんだかちょっと緊張します。

現地に到着し、公民館みたいな場所の二つの部屋で映画上映を行いました。

 

途中人が溢れすぎて、行列が出来ました。

水とか、食べ物ではない、映画のようなエンタメにこんなに熱狂するんだなと。
ある意味生きるのに必要のない”エンタメ”のようなものがこんなにパワーを持っているのかと改めて感じました。

【4日目】

4日目は現地での活動の最終日。
Japanese Festivalと名付けていたのですが、シャボン玉や凧あげなど、日本の遊びを大量に買っていき、みんなで遊びました。

 

 

そして最後にピースクラブ(平和活動を行う学生団体のようなもの)のメンバーから、平和について、そしてピースクラブの魅力について、他の子どもたちの前で語っていただきました。
このあと、ピースクラブに加入するメンバーが増えるといいなぁ。

 

 

途中で、多くの子どもとともにマーチングしました。
前に大統領がこの場所に来た時にも子どもたちが多く集まっていたらしいのですが、
多分それ以上に集まっております。

 

 

 

すごい人の量。

最後に挨拶をして終了です。

 

 

4日間通して、ピースクラブメンバーと一緒に、
平和を願う旗作成、映画上映、日本の遊び、南スーダンの遊び
を各地で、多くの子どもたちの前で行いました。

 

 

 

 

現地の人と共に、世界を良くしようとしました。

 

そして、最後には、
本当に別れるころには、
「腹減った。飯くれ。」
「その時計くれ。友達だろ。」
と言われました。

改めて感じた無力さ

以前他の南スーダン難民居住地に行ったときは、

「次いつ来るの?」
「また来てね!」

と言われて、帰国してました。
難民居住地以外の場所でもこんな感じです。

ただ、このビディビディ難民居住地では、ストレートに「物をくれ」と言われました。

それは、彼らが悪いわけではなく、圧倒的に支援が少ない、そうでもしないとまともに生活できないということかもしれません。

 

 

想像してみてください。

 

 

 

彼らの中には4日間同じ服を着ている人もいました。

また、ずっとお腹がすいていると言っていました。

狭い部屋で明かりもない中寝ているかもしれません。

 

 

日本人の私たちは、ホテルに帰り、1着100円ぐらいのランドリーサービスを利用し、
ベッドで寝て、夜ごはんもホテルで満腹に食べられます。

 

 

確実に言えることは、彼らと僕たちは状況が違います。
生まれた場所も境遇も違います。

 

では、彼らに僕たちみたいな生活をさせてあげるなんて、例えば彼らの全員の服や、快適な家や、十分な食料や、機会を提供すること、現実的に厳しいですよね。お金も労力も。

 

じゃあ僕らが彼らの水準で生活できるか、僕は無理です。
やっぱり電気・ガス・水道が安易に手に入り、安心して寝れる、ちょっと満員電車は我慢しなきゃいけない今の生活を捨てて、彼らの生活水準まで下げるというのは無理です。

 

 

彼らのために出来ることってなんだろう?

 

 

 

てか、その前に、ファーストフードとか、安い服とかって海外の安い労働のおかげで手に入っているのかな。

 

 

普通に生活しているだけで、日本で平凡に生きているだけで誰かを悲しませていることってないんかな?

 

 

 

・・・。

 

 

・・・・。

 

 

・・・・・・・・。

 

今後やりたいこと

 

いつもですが、今回は特にもやもやが残る渡航になりました。
もっと何かしたいって思っても、自分のスキル的にも、経験的にも、見えている世界的にも、
まだまだなぁと思います。

 

 

その中でも、「こうなりたい」というのが言語化できたのかなと思っています。

 

 

国を創りたい。

 

国を創るって言っても、本当に創るのではなく、国が作れる能力を手に入れたいと思いました。
どういうことかというと、「お金と人の流れ」を創る能力です。

 

 

僕たちが行った難民居住地はお金や人の流れがほぼありません。
でも例えば、日本という国、もっと小さく僕の育った調布市を見ても、お金と人の流れがあるのですね。

 

長期的には、子育てのために調布市に来る人がいて、仕事をしに調布市に来る人がいて、就職などのライフイベントに伴う引っ越しで出る人がいて、そんな感じで人の出入りがあります。そしてそこに経済が生まれます。

 

短期的には、花火大会などで、人がどっと集まり、焼き鳥とビールを買って、終わったら去っていく。お金と人が一日で動く。

 

 

そんな、人とお金の流れが、多少のヒエラルキーを持って発生することがこの難民居住地で起これば、もっと様々なものが流動的に、また向上心を持って人々が活動出来るのではないかなと思っております。

 

 

そんな流れを作る能力を手に入れたら、要は国が創れる状態になっている気がして、
そういう人間になりたいと思いました。

 

 

たぶん地方創生とかやっている人のスキルに近いんだと思います。

 

 

今僕は、でっかい企業の平社員と、ちっさい企業のトップという2つの顔があるので、
様々な視点から国創りスキルを学びたいと思っております。

 

そしてこんな世界を変える「仕組み」を小さい範囲でも作りたいです。

 

 

 

目に見えない感情の変化を観測したい

 

今回の渡航で改めて思ったのが、映画上映や凧あげなどのアクティビティが、とてつもないパワーを持っているのではないかという点です。

 

 

お腹がすいている人に映画見せるのって良いんだっけと思う部分もありますが、

 

映画が始まった瞬間子どもたちがばーーーっと集まる瞬間に立ち会い、

 

「なんだこの熱狂は?」
と不思議に思えました。

 

 

ある意味この、生きることとは直接的には関係のない「エンタメ」って実はものすごい影響力がある気がして、
この「エンタメ」を定義し、その感情の流れを測り、自分なりの勝ちパターンが作れるようになりたいなと思いました。

 

 

多分、「受け身ではなく体験だ」みたいな話とか、「物語を全文公開」みたいな話ってそれなりの理由があって、そういうことにビビっとくる人になりたいです。

 

 

ゲーム会社とか、アミューズメント系の会社とかそういった業界で働いている人がいたらこっそり紹介してください。
その人なりの思想とか、哲学とかを聞いてみたいです。

 

 

そんな「エンタメ」の法則を掴みたいなと。

 

 

報告会やります

 

まだまだ、書ききれないことたくさんありますが、

しかもネガティブな印象にしないために割と表面的なことしか書けないし、

映画の機材壊れてうわーって話は書いていないし、

ただ、報告会というものがあるので、興味ある方は来てみてください!
もしくは飲みましょう!(笑)

多分現場に行った人の生の声でないと伝わらない『何か』があります。

 

★詳細★

■「未来ドラフト2018」報告会 概要
日時:2019年3月16日(土)14:00-16:00(13:30開場)
会場:ワールド・ビジョン・ジャパン事務所 (164-0012 東京都中野区本町1-32-2ハーモニータワー3F)
定員:100名 ※先着順。定員になり次第、締め切ります
参加費:無料

【懇親会】16:00-17:00
会場を開放しますので、自由に交流、ご歓談ください

お申込み:
https://pages.worldvision.jp/2019_Miraidraft_debrief_InputPage.html

Facebookページ
https://www.facebook.com/events/2204380619813399/

 

 

 

もう既に結構な人数来ることが決まっているそうです。

先着順なのでお早めに!

 

そして、

改めて自分の無力さを痛感いたしましたが、
それでも前を向いて進んでいきたいと思いました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではでは!

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